持て余した霊感を使い果たすブログ

私が私の物語を創るように、あなたにもあなたの物語ができますように。苦しみも喜びもひっくるめて世界は美しいかもしれない!

コレサワという「笑い方」②

 

コレサワが好きだ。(だから②つ目になった)

 

彼女の書く恋愛ソングはあまりシアワセを描いていない。

でも「あ~わかる…痛」という心臓の深みに沁み込んでくる。とてもリアルな洞察力に感嘆する。

 


コレサワ「君とぬいぐるみ」Music Video

 

『君とぬいぐるみ』なんて、もう最後なんか聴いていられない。

好きな彼のそっけなさと優しさに振り回される彼女が、最終的に行き着く場所はやはり「相手を称え、自分を責める」という何とも哀しい愛おしいおセンチな乙女心である。

「本当はもっと優しくされたいよね」って友達だったら慰めてしまう…

 

 

でもたまに彼女も鋭く突いてくる。

『君のバンド』


コレサワ「君のバンド」【Music Video】

 

あたしの好きなものを君はいつも変だってゆうけど

君の好きなものは本当に君の好きなものなの?(『君のバンド』より)

 

 

ん?ちょっと待て。

あれだけ「君」を称えていた「あたし」、少し「君」の核心を突いている?

そして「変なものを好きな私」をガツンと貫いた?

 

こういう少しピリ辛な視点を混ぜ込んでくる点は、少々、まっとうな怒気すら感じる。

文学に近い。

 

自分の好きなものが非常にコアすぎて理解を得られない、あの孤独な感じ。

でもそんな自分を、実は根底でしっかり肯定しているから、救われる気がするのだ。

それを「バンド」に絡めるなんて、とってもウィットに富んでいる。

 

 

昔、付き合っていた人の長~い美術論に、卒倒しそうになったことがある。

難しすぎたのだ。そしてつまらなすぎたのだ。

 

お別れした後に、コテコテのJ-POPを聴いてヴィレバンで遊びまくった。

「本来のワイはコレやで」と心の中から声が聞こえた気がしたのを鮮明に思いだしたのが、コレサワの『J-POP』

 


コレサワ「J-POP」【Music Video】

 

これもまた根底に彼女の「貫き」があるから強い。

彼を通して改めて「自分」のアイデンティティを確認している感じが、強い。

卒倒しかけた私は、間違っていなかった。笑った。

 

 

ルミネの前を歩くと尾形真理子さんのキャッチコピーが目に入る。

「また生まれ変わったら私でいい」

短い言葉に詰められた「私でいたい」という逆説的な主張。あいろにー。

 

恋でケガしたかさぶたをしっかりとネタにして、

聴く者に「ふふふ」と思わせて先へと進ませる。ポップで秀逸な笑わせ方。

 

死ぬこと以外かすり傷。